平成25年3月14日(木)  目次へ  前回に戻る

←おもろちゃん。

うちゅん。

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劫余天地易黄昏、  劫余の天地は黄昏に易(か)わり、

十万人家幾戸存。  十万人家、幾戸か存す。

「劫」(ごう)は梵語kalpaの音訳である「劫波」(ごうは)の略。劫波(カルパ)は御存じのように宇宙の生誕から消滅までの長い長い時間のこと(ちなみに現在の宇宙はビッグバンから今まで145億年±7億年ぐらい、という)で、この劫波が終わり、宇宙が消滅するときには、「劫災」といわれる巨大災害が起こる、といわれる。「劫余の天地」はその「劫災のあとに残った天地」のこと。

巨大災害の後の世界は、薄明の宵を迎えたが、

十万あった人家のうち、今やいくつが残っているのであろうか。

立尽秋風唯有涙。  立ちどころに秋風を尽くしてただ涙有り。

饑鴉影乱水辺村。  饑鴉の影は乱る、水辺の村。

あっという間に秋風さえ吹きすぎてしまいただ涙だけが残った。

飢えたカラスが餌を探すのか、その影が水辺の村に乱れ落ちている。

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これは青木蓬洲という人の「災後所見」(災の後に見るところ)。この「災」は関東大震災で、蓬洲は名を彰といい東京のひと。「大正五百家絶句」巻一所収。

この詩を引いたのは東日本震災から二年、とかそういうのでなくて、半島で戦争が起こってこんなことになってしまうのではないか、とそろそろほんとに心配しているのである。

以上で終わり。土日休めないのでうちゅん。

 

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