新年おめでとうございまっちゅ。
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まだまだ国家の危機は続いておりまちゅからね。
欲補邦家急、 邦家の急を補(たす)け、
抛身致寸誠。 身を抛(なげう)ちて寸誠を致さんと欲す。
任他塵世客、 任他、塵の世の客の
呼我作狂生。 我を呼びて狂生と作(な)すに。
「任他」は「他(かれ)に任さん」とそのまま訓じてもよろしいのですが、伝統的に「ままよ」と読むことになっております。
国家の危急を救うため、
この身を擲って、一寸程度の(ちっぽけなものだが)誠意を尽くそうと思うのである。
ままよ、この塵のような世俗のやつらが
わしを「き○がい野郎」と呼んでもかまわない。
がんばっていただきたいものでちゅね。
おいら肝冷斎には誠意など無いのでございますが、それでも世間にはおいらを「狂生」と嗤う者がおり、コドモのふりをして嘲笑に甘んじなければならないのである。誠意ある者がどれほど世俗から嗤われることか。
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今日は新年なので、おいらのようなコドモでも知っている大有名人に登場してもらいまちたー。
「お願いちまちゅ、登場ちてくだちゃい」
と頼んだら、
「こんなコドモに頼まれたんじゃあ、しようがねえなあ」
と言って応じてくれまちたの。コドモでよかったー。
作者は東行道人・高杉晋作(春風)さんでございまちゅよ。文久二年(1962)十一月「将赴金沢、斬夷人」(まさに金沢に赴きて夷人を斬らんとす)の詩でありまっちゅ。ちなみに「金沢」は北陸ではなくて相模の金沢のことで、翌月には品川英国公使館焼き討ち事件を起こすのでありまちゅ。