平成24年5月21日(月)  目次へ  前回に戻る

 

月曜日です。もう疲れた。こんなに疲れやすいのには、何か理由があるのかも知れんね。

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斃れる前に、長生きする方法を書いておきますね。

六朝の詩人・応璩に次のような語あり。

・・・むかしむかし、馬車で旅行くひとがあったとさ。

向こうの畑に三人のじじい(「三叟」)がいた。

このじじいども、それぞれ年ごろは百歳以上、

みなぴんぴんとして、重い犂を引いて畑を耕している。

旅人は馬車を止めて三人じじいに訊いたとさ。

―――どうやってこんな長寿を得たのだね?

上叟前致詞。    上叟前(すす)みて詞を致す。

ひとりめのじじいが進み出て、言いました。

@  室内姫粗醜。   室内の姫、粗醜なり。

うちは女房がしこめのおかげ。

次のじじいが進み出て、言いました。

A  量腹節所受。   腹を量りて受くるところを節す。

自分の食べられる量に合わせて、戴けるものを戴いてきたおかげ。

三番目のじじいが進み出て、言いました。

B  暮臥不覆首。   暮れに臥するに首を覆わず。

夜寝るときに首まで覆う夜着がなかったおかげ。

おお。なるほどのう。

要哉三叟言、   要なるかな、三叟の言、

所以能長久。   よく長く久しきゆえんなり。

 大事なことじゃぞ、三人じじいの言うことは。

 長く久しく生きてきた、その理由がよくわかる。

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なるほどのう。これは大事なことばかりじゃ。

この「三人じじい」のお話は、幼いころに叔父から教えてもらって、それ以来ずっと近年(宋代)の小説の類だと思っていたところ、「類要」という本を読んでいたら、あに図らんや六朝の詩に拠るものであることを知ったので、ここに記しておく―――と「野客叢書」巻二十八に引かれてあった。

・・・コドモの読者にもわかりまちゅように、確認しておきまーちゅ。

@   男女の交わりが過ぎると命を縮めることになるが、うちのやつがひどい顔だったので過ぎることがなく、長生きできた、ということのようである。

A   腹は八分目にし、余計なものは蓄えない、ということなのでありましょう。確かにそれは心身によいであろうと思われます。

B   首を覆うと健康に悪いらしい。呼吸か何かに影響があるのであろうか。よくわからないけど大事なことなのであろう。

真似してみてくだちゃーい。

 

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