平成24年3月12日(月)  目次へ  前回に戻る

 

眠いんですわ。

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宋の名将・岳飛将軍の孫にあたる倦翁・岳珂史」(ていし)という著作があり、宋代の逸話をよく書きのこしていて名著のほまれが高い。

その中に欧陽脩と一挙人(科挙の地方試験の合格者)との会話が記されている。

この挙人は、欧陽脩が高名な学者であるのを知って、質問をした。

堯舜事是一、是二。

堯舜のことはこれ一なりや、これ二なりや。

「古代の代表的な聖人天子としてよく「堯舜」が挙げられますが、この「堯舜」というのは、一人の名前なのでしょうか、それとも「堯」と「舜」の二人なのでしょうか」

書経や孟子や論語を少しでも勉強していれば、堯のムスメムコが舜であり、堯と舜は別の人、ということはすぐわかります。質問者はあまりにも物を知らないようだぞ。

観者哄然大笑。

観者、哄然として大笑す。

まわりのひとは、「ぎゃははは」と大笑いした。

しかし、欧陽脩は口元を少しも緩めることなく言うた。

疑事恐誤者、即不必用。

疑事、誤まるを恐るる者は、即ち必ずしも用いず。

「疑問のことを、間違っていたら恥をかくと恐れて質問しないようなやつは、実社会では使い物にならん」

まわりの者はこの言葉さえ冗談だと解して、

又一笑。

また一笑す。

「わはは、それはおかしいですなあ」ともう一笑いした。

欧陽脩は後日、このことを弟子たちに、

「笑うべきでないときに笑う、というのはどういうことであろうか。おまえたちも気を付けるがよい」

と顔をしかめながら、話したということだ。

・・・・・・・と、弟子の一人がいうに、

「先生が編集されました「五代史」の中にも「笑うべきでないときに笑う」話がございますね」

「お。それは何を指していうておるのかね」

「後梁の鄭玨の伝の中にございます・・・」

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さてどんな話でございましょうか。もう眠いのでまた明日。今日は

疑事、誤まるを恐るる者は、即ち必ずしも用いず。

という名言だけは覚えておくといいかもしれません。あくまで「かも」ですけど。就活の役に立つカモ?

 

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