今日は二時間早く出勤してこい、というので、二日ぐらい起きていた・・・ような気がしていたが、まだ火曜日だよー。
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さて、寒くなってきました。
毎年冬になりますと楊國忠の故事を思い出します。
楊貴妃の一族というだけで重用され、天宝年間に宰相にまでなり、安禄山の乱の原因となったとして死を賜った楊國忠でありますが、その全盛期には、
於冬月、常選婢妾肥大者。
冬月において、常に婢妾の肥大なる者を選ぶ。
冬になりますと、毎年、多くの侍女たちの中からふとった女ばかりを何人か選び出すのであった。
唐という時代は――彼のいとこであった貴妃・楊玉真がそうであったように――豊満な女性に好尚のあった時代でありますから、そういう趣味でお選びになったのか、というとそうでもなかった。
彼女らを
行列於前、令遮風。
前に行列せしめ、風を遮らしむるなり。
自分のまわりに並ばせて、風よけにするのである。
さらに、
籍人之気暖。
人の気の暖かなるを籍(か)る。
人間の体から発散される暖気を利用して温まろうとしたのである。
そして、これを
肉陣
と呼んでいた。特に寒い日には、
「肉陣を厚くせよ」
と命じて女どもとほとんど密着していた。・・・ということである。
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夏なら拷問になることが冬には暖房器具になるのです。やっぱりお偉方の生活はわしらとは違いますなあ。王仁裕「開元天宝遺事」より。
今日は会社の親方から本を借りてきた。池上俊一「パスタでたどるイタリア史」(岩波ジュニア新書2011)である。パスタを至上の食べ物とするクッカーニャ國(中世イタリアの空想上の理想国である)が紹介されています(p102)。「のらくら國」と訳されています。ああ。挿絵のブリューゲル「クッカーニャ國」図のごろごろしているおっさんらの、なんという空虚そうな幸せな顔よ。羨ましー! わしも間もなくそこへ行くであろう。待っていてくだされよ、おっさんらよ。