平成22年6月11日(金)  目次へ  前回に戻る

我が敬愛する大博学者(2)、宋の洪容斎先生がいうに、

―――仏典の「大集経」によれば、六十四の「悪口」があるのだ。

とのことである。ああ、ありがたや、ありがたや。大先生がおっしゃることだから、ありがたいことに違いないことであるなあ(13)。

ただし、ここでいう「悪口」というのは「わるくち」=他人を謗ったり憎んだりして言うコトバ、のことではなく、悪業を作ってしまう「言語」のことである。

どのようなものがあるのですか。

―――次のようなものである。(・・・の後は肝冷斎の訳である(1又は4)ので、ほんとうに意味が知りたいひとはお寺の和尚さんに訊いてください(8))

1. 粗語・・・いい加減なことば

2. 軟語・・・おもねることば

3. 非時語・・・いうべきときでないときに言うことば

4. 妄語・・・うそことば

5. 漏語・・・秘密にせねばならないのに語ってしまったことば

6. 大語・・・でかいことをいうた

7. 高語・・・上から目線でいうた

8. 軽語・・・軽々しく無責任にいうてしもうた

9. 破語・・・人間関係を壊してしまうようなことば

10.不了語・・・中途半端なことば

11.散語・・・わけのわからんことば

12.低語・・・ひとを低めることば

13.仰語・・・よいしょすることば

14.錯語・・・まちがったことば

15.悪語・・・ひとを悪んでいうことば。わるくち。

16.畏語・・・びびっていう。

17.吃語・・・どもっていう。

18.諍語・・・けんかのことば。

19.諂語・・・へつらうことば

20.誑語・・・たぶらかすことば

21.悩語・・・なやましいことば。さそいことば

22.怯語・・・怯んで言う。

23.邪語・・・よこしまなことば

24.罪語・・・タブーに触れる

25.唖語・・・しゃべれぬひとのように話すこと

26.入語・・・ひとの心に押し入るようなことば

27.焼語・・・焼け付けるような激しいことば

28.地語・・・地方ことばまるだし

29.獄語・・・犯罪者たちの隠語

30.虚語・・・つくりばなし

31.慢語・・・えらそうなことば

32.不愛語・・・思いやりないことば

33.説罪咎語・・・ひとの罪を数えたてる

34.失語・・・言うてはならんことを言うてしもうた

35.別離語・・・わかれのときのことば(心が高ぶりすぎるからであろうか)

36.利害語・・・利害にかかわることば

37.両舌語・・・あちらとこちらで違うこと言う。ダブルスタンダードも。

38.無義語・・・意味のないことば

39.無護語・・・あけっぴろげに過ぎることば

40.喜語・・・喜びの頂点にあって吐くことば

41.狂語・・・狂ったようなことば。ルーピーワード

42.殺語・・・不吉なことば

43.害語・・・まわりを害することば

44.繋語・・・誰かにかかわることば

45.閑語・・・ひまに明かせていう。

46.縛語・・・ひとを呪縛せんとすることば。

47.打語・・・ひとを打ちのめさんとすることば。

48.歌語・・・歌のことば。(歌はひとの心をたぶらかすもの、という考えによるのであろう)

49.非法語・・・文法からはずれてものをいう。

50.自賛嘆語・・・自分を誉めそやすことば

51.説他過語・・・他人の過ちを言いふらす

52.説三宝語・・・仏・法・僧の三宝についてとやかくいう。

・・・・・あれ?

!!!!!!!!!!

ひどいです。せっかくここまで読んできたのに、容斎先生は以上の52個を並べただけで、あとは省略していやがった。(「容斎随筆」巻一

ぴきー(41)、くそじじいめ(47)、ゆるさねえ(33)、最低のぶたやろう(12)のばか(15)。ぬっ○ろしてやる(42)。(以下略)

・おもてしごとジゴク状態

 

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