平成22年2月22日(月)  目次へ  前回に戻る

今日は2がたくさん揃いましたね。ああうれしいなあ。「うれしい」といえば・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

青山在門、白雲当戸、明月到窗、涼風払座。勝地皆仙、五城十二楼、転覚揀択。

青山は門にあり、白雲は戸に当たり、明月は窗に到り、涼風は座を払う。勝地みな仙なり、五城十二楼もうたた揀択(かんたく)を覚ゆ。

青い山が門の前に見えたり―――

白い雲が扉の向こうに浮んでいたり―――

明月がちょうど窓から差し込んできたり―――

凉しい風が憩うている場を吹きすぎたり―――

うれしい気持ちになれる場所はすべて仙界であるから、いわゆる「五城十二楼」というやつさえ、無理に選びとった造りモノに思えてくる。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

と、小窗・呉従先「小窗自紀」(第64則)に書いているところである。

「五城十二楼」とは、史記巻28「封禅書」に曰く、

黄帝時為五城十二楼、以候神人。

黄帝の時、五城十二楼を為(つく)り、以て神人を候(うかが)う。

伝説の王・黄帝の時代、五つの宮殿、十二の高殿を造って、ここに神秘のひとたちをお迎えしたものだ。

といい、神仙の降る場をいう。「抱朴子」によればこの五城十二楼は、今も崑崙山の山頂にあるのだそうである。

さて、わしの寝床は昨日と変わり映えしない寒いしとねですが、今日は朝が少し早めで、ただ今すごく眠いんです。眠いときの寝床は「五城十二楼」ぐらいにはステキな場所さ。君の膝枕にはかなわなくとも。

―――と、下らぬことを言う間があればもう寝ます。

 

表紙へ  次へ