人と面談しても、見ている方向が違うんでは、しようがない。
やっぱり現世にいるのは身心によくないですね。
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シゴトはつらいかも知れませんが、実は、
仕途上、只応酬無益人事工夫占了八分。
仕途上、ただ無益の人事に応酬するの工夫、八分を占め了す。
シゴトというのは、意味のない人との応対をどうするこうする、というのが、その八割を占めてしまっている。
やっぱりほとんどはニンゲン関係なんです。
このため、
更有甚精力時候修正経職業。
更に甚(な)んの精力の時候(とき)有りてか、正経の職業を修めんや。
その中で、どれぐらいか、気力の充実した時間を取って、まっとうなシゴトをすることができるだろうか。
わたしどもは、そういう時間があれば居眠りする時間に当てるわけですが、
我嘗自喜行三種方便。甚於彼我有益。
我、嘗(つね)に三種の方便を喜(この)み行う。甚だ彼我において有益なり。
わしは、いつも三つの便法を進んで採用することにしております。これは、わしだけでなく、シゴトをする相手にもたいへん有益な方法じゃ。
一つ、
不面謁人。省其疲於応接。
人に面謁せず。その応接に疲るるを省く。
人とは面会しない。応対することによる疲労をお互い省くことができます。
二つ、
不軽寄書。省其困於裁答。
書を軽々しくは寄せず。その裁答に困ずるを省く。
手紙をあまり送らない。どう答えればいいか、お互いに困ってしまうのを省くことができる。
三つ、
不乞求人看顧。省其難於区処。
人の看顧を乞わず。その区処に難(くる)しむを省く。
その人に気を使ってもらおうと願わない。お互いに相手にどう対処するか悩むのを省くことができます。
以上じゃ。
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明・呂坤「呻吟語」応務篇より。一瞬、@要らん会議はするな、A無関係な人にまでメールで同送するな、Bとりあえず「はい」と言っておけ、という岡本全勝さんの教えを思い出しました。ちょっとづつ違いますが、実は一緒ことを言っているのかも。でもよく考えたら、同じような組織人の行動を真摯に考えたら、同じような結論になるのは当たり前ですね。