「ツルできゃん」
今日は夜になったらすごく寒くなりました。
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戦国の時代のことでございます。
子禽(しきん)が質問しました。
多言有益乎。
多言は益有るか。
「言わないよりは、どうせなら多くのことを話した方がよろしいでしょう」
墨先生が答えた。
蝦蟇蛙蠅、日夜而鳴、舌乾辟。然而不聴。
蝦蟇蛙蠅、日夜にして鳴き、舌乾辟す。然れども聴かれず。
「蝦」(か)は「エビ」か「ヒキガエル」「ガマガエル」、「蟇」(ば)は「ヒキガエル」、「蛙」(あ)はカエル、「蠅」(よう)は「ハエ」ですが、もともとムシ偏を除いた「黽」(ぼう)はカエルの象形。
ヒキガエル・ガマガエル・カエル・アマガエルは昼も夜も鳴き続けて、その舌が干からびてしまうほどである。なのに、誰もその声に耳を傾けようとしない。
だが、
今、鶴鷄時夜而鳴、天下振動。
今、鶴鷄の時夜にして鳴けば、天下振動せん。
もしもツルやニワトリが深夜に鳴けば、世の中は「もう朝だ!」とひっくり返るような大騒ぎになるだろう。
つまり、
多言何益、唯其言之時也。
多言何ぞ益せん、ただその言の時なるなり。
多くのことを話したからといって何かいいことがあるものか。それより、そのコトバが語られるべき時に語られるかどうか、が問題なんじゃよ。
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「墨子」佚文より。でもカエルは他のカエルが鳴くから、自分だけ黙っているわけにはいかないんですからうるさくても仕方ないですよね。
「ニワトリでコケ」「ピヨでピヨ」「ピヨ」