令和元年5月15日(水)  目次へ  前回に戻る

これも文人画・伝肝冷斎筆「李白峨眉山月歌図」であろう。哀愁が漂っている。

世俗から離れて山の中で暮らしているとシアワセであるが、時々町なかに出て買い出ししたり娯楽を求めたりすることがあります。

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基本的に山中の生活ではカレンダーなんか要らないので、曜日の感覚が無くなります。今日はそろそろ金曜日かな。久しぶりで町なかに出てみるか。いや、でもなんか悪い予感するなあ・・・。

依遅動車馬、 依遅(いち)として車馬を動かし、

惆悵出松蘿。 惆悵(ちゅうちょう)として松蘿(しょうら)を出づ。

「依遅」(いち)はゆっくりとするさま。「惆悵」(ちゅうちょう)は悲しむ様子。

 のろのろと車を引っ張る馬を歩かせ、

 いやーなキモチでツタのからまった松(の茂った山の中)から出てきた。  

忍別青山去、 青山に別れ去るを忍ぶも、

其如緑水何。 それ緑水を如何せん。

 青い山から出てくるのを何とかガマンしてみても、

 みどりの水と離れるのはどうしようか。

「忍別青山去」は「青山に別れ去るに忍びんや」(青い山から出て来るのもガマンできないし、)とも解する説もあるそうです。

・・・と思って出てきたら、何とまだ水曜日だった! 

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唐・王維「別輞川別業」輞川の別業に別る)(長安郊外・藍田終南山の麓にあった輞川(もうせん)の別荘から遠出するときの詩)。

まだ水曜日だったとはぬかりました。この無茶苦茶なやつだけ見て、誰にも見つからないように、夜の闇に隠れてまた山中に戻りますじゃ。

 

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