平成30年12月15日(土)  目次へ  前回に戻る

なんとかうまくまるめて来年を迎えたいものであるが、まだ年末は遠い。

あと年末まで二週間ほどですが、果たしてうまいこといくのか。どうせ宝くじなんか当たらないし、何かいいことは無いものだろうか。

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戦国の世のことでございます。

燕の国で内乱が起こり、その鎮圧に手間取ったため、燕の使者が魏に支援を求めてまいりました。

ところが魏王はこの使者と面会をせず、

留之数月。

これを留むること数月なり。

数か月にわたって待機させていた。

その様子を知ったある客(顧問)が王に申し上げた。

不聴燕使、何。

燕使を聴かざるや。

「燕の使者と面会しないのには、どういうわけがあるのですかな?」

王は言った。

以其乱也。

その乱るるを以てなり。

「燕は混乱していて、内乱側も有力だから、この使者と会うのが有利かどうかわからんのだ」

「ぐっふっふ・・・」

客は含み笑いを洩らした。

「王さまともあろうお方が・・・。

湯之伐桀依其乱也。

湯の桀を伐つはその乱れに依れり。

聖人とされる殷の湯王が自分の主君であった夏の桀王を討伐したのは、夏の国が乱れていたからでございますぞ。

湯王の例のみならず、

大乱者、可得其地、小乱者、可得其宝。

大乱者にはその地を得べく、小乱者にはその宝を得べし。

たいへん乱れた国を相手にすれば、その土地を割譲させることができ、少しく乱れた国を相手にすれば、その国宝を献上させることができる」

と言うそうでございますぞ。ぐっふっふ

「なるほどのう」

魏王説、因見燕客而遣之。

魏王説(よろこ)び、因りて燕客に見(あ)いてこれを遣る。

魏王は喜んで、早速燕からの使者に面会すると、協力を約して国に帰らせたのであった。

ぐっふっふ

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「戦国策」巻九・燕策上より。大乱者にはその地を得し、です。ひとの混乱に乗じれば、何かいいことあるかも知れませんよ。

 

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