平成30年9月19日(水)  目次へ  前回に戻る

「いろいろツラかろうが、鼻水をやるからガマンするでカッパ」だが、オオサンショウウオなど両棲類に「耐える」ということができるのだろうか。

うぎー、もうガマンならんぞ!

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と思いましたが、

語云、登山耐側路、踏雪耐危橋。

語に云う、山に登るには側路に耐えよ、雪を踏みては危橋に耐えよ、と。

よく言うではありませんか、「山に登るときは横を向いて通らねばならないような険しい道にも耐えなければならない、雪を踏んで出かけるときには滑りそうな危なげな橋にも耐えなければならない」と。

―――ああそうでしたかなあ。

特にこの

一耐字極有意味。

一耐字、極めて意味有り。

一文字の「耐える」というコトバは、極めつけに味わうべき意義がありますぞ。

―――そうですかなあ。

どれぐらい意義があるかといいますと、

如傾険之人情、坎坷之世道、若不得一耐字撑持過去、幾何不堕入榛莽坑塹哉。

傾険の人情、坎坷(かんか)の世道の如き、もし一耐字を得て撑持(とうじ)して過ぎ去らずんば、いかんぞ榛莽(しんもう)坑塹(こうざん)に堕ち入らざらんや。

傾き険しいひとの心、穴ぼこだらけの世間さまの中では、もしこの一文字「耐える」をてのひらの上に乗せて大切に捧げ持ちながら過ぎ行くのでなければ、どうしてヤブや草むら、落とし穴や塹壕に陥らないでいることができようか。

いや、必ず陥ってしまうのである。

―――なるほどなあ。ガマンしなければいけないのですなあ。

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「菜根譚」前集より。みなさんは大事なひとなんでもう少し耐えてくだされよ。わしはもうこの世俗世界から出ていきますケドね。

 

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