カッパの鼻水だ。カッパによれば「これを飲めば夏バテにも効くでカッパ」というので、くれるらしい。
毎日暑い。どこに行けば涼しく暮らせるのか。
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耳を澄ましてみます。
すると、じじいが何やら歌う声が、風に乗って聞こえてくるぞ―――
欲得安身処、 身を安んずるの処を得んとせば、
寒山可長保。 寒山、長く保つべし。
おまえさんの体の落ち着き場所を得ようというならば、
ここ寒山こそ、とこしえに居られるところだぞ。
微風吹幽松、 微風、幽松を吹き、
近聴声愈好。 近く聴けば声いよいよ好ろし。
かすかな風が実在しているのかしないのかわからない松の枝を吹く。
この山まで来て近くでその音を聴くと、ますますいい音だと感動するぞ。
下有班白人、 下に班白の人有りて、
喃喃読黄老。 喃喃(なんなん)として黄老を読む。
「黄老」は黄帝や老子の書、仙界に関する書物のことである。
その松の下には半分白髪のひとがいて、
ふにゃふにゃと声を出しながら神仙たちの本を読んでいる。
このひと、
十年帰不得、 十年帰り得ず、
忘却来時道。 忘却す、来時の道を。
すでに十年もここにとどまったままである。
ここまで来た道をすっかり忘れてしまっているのである。
このひとが、わしなんですぞ・・・。
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「寒山詩」より。わーい、では行ってきます。岡本全勝さんたちもいるといいのになー。