火星じゃ。
今日もひどい時間だが生きていることを証しするために更新だけします。
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火星大接近中です。「火星=熒惑星は兵乱の兆しだ、ワイワイ」と騒ぐひともいますが、まあ、大したことないでしょう。なんで大したことないか、会社なんか辞めて天文志でも引いて朝までお話したいのですが、誰もまともには聴いてくれないのですから、止めておきます。
何より、我らにはこの剣がありますから、兵乱を恐れる必要はないのだ。
致此自僻遠。 これを致すは僻遠よりす。
又非珠玉装。 また珠玉の装いあるに非ず。
これは遠い野蛮な国からもたらされた剣なんです。
それに、玉や真珠の飾りがついているわけではない。
だが、それが
如何有奇怪、 如何ぞ奇怪有りて、
毎夜吐光芒。 毎夜、光芒を吐く。
どういうことか、不思議な力を持っていて、
夜ごとに光を射出する。
虎気必騰上、 虎気、必ず騰上し、
竜身寧久蔵。 龍身、なんぞ久しく蔵せんや。
トラのような剣気は、必ず空に噴出するであろう。
竜のような刀身は、いつまでもしまいこまれているもんか。
こいつは、やがて時を得てたいへんな能力を発揮するであろう。
風塵苦未息、 風塵のいまだ息まざるに苦しめば、
持汝奉明王。 汝を持して明王に奉じん。
兵乱の風塵はいまだ治まってはいないから、
おまえをひっさげて賢明な王のもとに捧げにいこう(わしの能力も)。
ホントに賢明な王さまなら、「うーん、悪いけど剣だけ置いてけ、おまえは要らん」と言われるカモ。
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唐・杜甫「蕃剣」。宋代以降、日本の冶金技術が進歩して、日本刀が貴重品となりますが、その前の時代は、福建あたりで作るものを蕃剣と言って魔力を持つと言われていたらしいんです。