平成29年6月25日(日)  目次へ  前回に戻る

ブタにせよニンゲンにせよ、本来無一物なのである。

明日はなんと月曜日。

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まあ、でも、関係ないからいいや。

有一餐霞子、  一りの餐霞(さんか)の子あり、

其居諱俗遊。  その居には俗遊を諱(い)む。

竹林の七賢のひとり嵆康は

本自餐霞人。

もとより餐霞のひとなり。

本質的に「霞」を食うタイプのひとである。

と評された(「文選」巻二十一、宋・顔延年「五君詠」)。

実は「霞」はカスミではなくて朝や夕べの赤く色づいた山の雲をいう言葉なのですが、我が国ではこれを「カスミ」と訓じたので、嵆康だけでなく「仙人はなべてカスミを食う」ということになったんです。

 山の中にカスミを食って生きているやつがひとりいて(わしのことじゃ)、

 その棲み処には俗人が来るのを拒んでいる。

論時実蕭爽、  論時は実に蕭爽(しょうそう)にして、

在夏亦如秋。  夏に在りてもまた秋の如し。

 議論とかさせれば実にさわやかであぶらけが無く、

 夏のジメジメした時でもそのあたりは秋のように涼しいのだ。

この山中では、

幽澗常瀝瀝、  幽澗(ゆうかん)は常に瀝瀝(れきれき)とし、

高松風颼颼。  高松(こうしょう)は風に颼颼(しゅうしゅう)たり。

 かぼそい谷からはいつもちゃらちゃらと水が流れてき、

 高い松は風が吹くとひゅうひゅうと音を立てる。

其中半日坐、  その中に半日坐せば、

忘却百年愁。  百年の愁いを忘却せん。

 そこに半日もすわっていれば、

 人生百年のイヤなことはすべて忘れてしまえるだろう。

うっしっし。

おいらはこちらにいるのでジャマしに来ないでね。

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「寒山詩」より。じめじめした季節ですが、おいらたち隠者のところはさわやかである。それにしても「肉食系」とか「草食系」とか口にしているやつを見ていると可笑しくてたまりません。わしらのようにカスミを食っているグループ(「空食系」)から見れば「草食系」でもかなりドロドロしているからな。

 

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