好きなだけおにぎりが食べられる・・・ようなすばらしい地位にはいつまでも居られるものではないのである。権力の側にも。
今日はうちの会社がエヌねちけーに取り上げられた。悪意ある報道ではありません。
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宋のはじめのころ、道士・陳摶(百日間眠っていたのでも有名)が、真宗皇帝に召されて首都・開封へ上京してきたことがあった。
その際、
間有士大夫詣其所止、願聞善言以自規誨。
間に士大夫のその止どまるところに詣る有りて、善言を聞きて自ら規誨せんことを願う。
宮中に伺候する間を見つけて、官僚や読書人たちがその宿舎に押し掛け、
「ぜひ何か、役に立ちそうなコトバを教えていただきたい。そのコトバによって自分たちの思想行動を律していきたいと思うのである」
と懇願されたことがあった。
道士はしばらく一同の顔を見ていたが、やがて言うに、
優好之処、勿久恋。 優好のところには久恋するなかれ。
得志之所、勿再往。 得志のところには再往するなかれ。
ひとより優ったいい地位には、ながながと居続けようとしてはなりませんぞ。
うまく行ったと成功した経験は、もう一度同じことをしようとしてはなりませんぞ。
そう言って、みなの顔を見渡した、ということである。
以爲至言。
以て至言なりと為す。
これこそ名言というべきであろう。
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宋・張師正「倦游雑録」より。うちはエヌねちけーに報道されたんだぜ、と威張っていてはいけません。今日勝って今日それを誇る者には、明日は何も残されていない・・・のだそうですから。