平成29年5月6日(土) 目次へ 前回に戻る
ぶた船に乗って遠くに行きたいなあ。
あと二回寝て起きて朝が来ると、もう平日・・・絶望してまいりました。その絶望的状況の中で、まだ自分を見直しています。
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「朝でちゅよ」
「ふがふが」
起こされて、目を醒まし、
推篷四望水連空、 篷を推して四望すれば水は空に連なり、
一片蒲帆正飽風。 一片の蒲帆はまさに風に飽きたり。
船室のまどにかかったすだれをあげて四方を見てみると、水面が空につながっている(陸地はかなり遠いのだ)。
この船に掲げられたガマ繊維の帆は、追手の風を、もう要らんというぐらいいっぱいにはらんで船はすいすいと進んでいくのであった。
「そうじゃった、夕べは船に乗って出航したんじゃったなあ」
「あ、山が見えてきまちたよ」
山際白雲雲際月、 山際の白雲、雲際の月、
子規聲在白雲中。 子規の声、白雲中に在り。
山のかたわらには白雲が浮かんでいる。その雲のかたわらには、夜明けの月が白く浮かんでいる。
そのとき、ホトトギスが「ぎゃーす」と一声鳴きました。あの雲の中にいるようだ。
初夏の朝なんです。
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宋・戴昺「夜過鑑湖」絶句。夜、鑑湖を過ぐ――夜の間に鑑湖は過ぎてしまっていた、という「鑑湖」は浙江の山陰・会稽の境にある湖で、そんなにでかいわけではないので、そんなに壮大な景色なわけではないんですが、なかなか爽快な詩に仕上がっています。