「このタコにカミナリをおびき寄せて、電気であることを証明するでぶー」・・・忍者という職業の厳しさがわかる状態である。
今週はきつかったが、なんとか週末。でもまた間もなく平日が来る・・・。その前に「坐脱」しちゃおうかな。
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南宋の国都・臨安の道観(道教のお寺)天慶観に滞在していた四川・丹稜出身の道士・青陽某というひと、
語所善者曰、明日午時天大雷風、汝観中驚出一仏。
善とするところの者に語りて曰く、「明日午時、天大いに雷風ありて、汝観中に一仏の出づるに驚かん」と。
仲の好かった同僚に語りかけて言うには、
「明日、正午に空に大いに雷が鳴り風が吹くであろう。そのとき、おまえさんは、この道観の中に、ホトケさまが出現するのでびっくりするじゃろうよ」
と。
「わはは」
同僚は笑って言った、
汝道士、乃談仏乎。
汝道士なり、すなわち仏を談ずるか。
「おまえさんは道士じゃろうに、なんでホトケさまの話なんかするのじゃ?」
わっはっは。わっはっは。
と笑いあって、その会話は終わった。
翌日のお昼―――
果澍雨大震電。
果たして澍雨、大震電あり。
はたして、大雨が降り、激しい落雷やいなびかりが起こった。
「おいおい、おまえさんのいうとおりに・・・」
と同僚が道観の暗がりに座っている青陽道士に声をかけたときには―――
已坐脱矣。
已に坐脱せり。
青陽道士はすでに、座ったまま解脱していたのであった。
「おお! ・・・なんと見事な」
よく見ると青陽道士の亡骸は手に一枚の紙を持っていた。
その紙には遺偈あり。記して曰く、
雷声霹靂、撤手便行。 雷声霹靂、手を撤してすなわち行かん。
蹤跡混淆、萬法皆空。 蹤跡混淆、萬法みな空なり。
雷の声、激しい落雷の中、さっさと手を引っ込めて行ってしまおう。
やってきたことはいろいろまぜこぜ、結局なにもかもすべて空に帰る。
と。
黄冠能坐脱、不惟未嘗見之、亦前未之聞也。
黄冠のよく坐脱するは、これいまだかつてこれを見ざるのみならず、また前にいまだこれを聞かざるなり。
「黄冠」は道士のかぶる冠で、道士そのものも指します。
道士でありながら座ったまま解脱し(て死んでい)たひとは、これまで見たことがないのはもちろんだが、歴史上聞いたこともないことである。
たいへんな快挙であった。
これは紹定己丑年(1229)三月二十八日のことであるという。
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宋・佚名氏「鬼董」巻三より。
本日、日本代表チーム予選三連勝の快挙です。なお、韓国大統領の弾劾成立したが、これは? 快挙・・・なのかな?