左図は夜明け前にうごめき出したドウブツたちの姿である。ドウブツは夜明け前になると、うごめき騒ぎ出すというから、ライオンもそうかも知れない。
今日は驚きました。「辞めますメール」出したはずなのに「そんなメール来てないから早く出勤しろ」と電話が来たのです。「辞めますメール」を職場の自分のアドレスに向けて出していたので、上司の目には触れなかったらしい。
おまけに、尊敬する岡本全勝さんに、なんとあろうことかウソの住所を教えてあったので、「年賀状出したのに還ってきたやないか」とお叱りが。これはもはや致命傷、あるいはラストストローか。失敗続きの人生であったのだ。
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人生を見直すことにします。
五代のころ、福建・漳州に住した龍渓懐嶽禅師にお話を聞きますよ。禅師は唐末の名僧・雪峯義存の嗣法の弟子であります。
@ 守古冢鬼
問)十二時中如何行履。
十二時中、如何ぞ行履せん。
一日(十二刻)の間、どのように行動すればよろしいものでしょうか。
答)動即死。
動けば即ち死す。
動いたら、即死するぞ!
問)不動時如何。
動かざる時は如何せん。
わかりました。ところで、動かないでいるときは、どんなふうにしていればいいのですか。
答)猶是守古冢鬼。
これ守古冢の鬼のごとかれ。
古いお墓から離れることができず、ずっとそこを守っている地縛霊のようにしていなさい。(座禅でもしていろ)
A
万里一片雲
問)牛頭未見四祖時如何。
牛頭のいまだ四祖に見(まみ)えざる時、如何。
「牛頭」は法融禅師、「四祖」はその先生であった道信禅師のこと。五代の時代より四世紀ぐらい前の人たちです。
牛頭法融禅師さまが、四祖道信禅師さまに面会される前は、どんな精神状態だったんでしょうか。
答)万里一片雲。
万里に一片の雲あり。
見渡す限りの大空にただ一ひらの雲だけがある―――そんな状態じゃな。
問)見後如何。
見ゆる後は如何。
面会されたあとのおキモチはどうだったんでしょうか。
答)廓落地。
廓落地(かくらくち)たり。
(一ひらの雲も無くなって、)からっぽに。
B
獅子在窟
問)獅子在窟時如何。
獅子の窟に在る時は如何。
(ほとけさまのことをライオンに喩えますが)ライオンが巣穴にいるときはどんな感じなんでしょうね。
答)獅子是什么家具。
獅子はこれいかなる家具ぞ。
ライオン? それはどういう家具なのかな。(家具のように黙然としているのだ)
問)獅子出窟時如何。
獅子の窟を出づる時は如何。
ライオンが巣穴を出てきたときはどんな感じなんでしょうね。
答)獅子在什么処。
獅子はいかなる処に在りや。
ライオンがどこにいるんだって?(風のように自由なのだ)
C
言訖告寂
師、上堂示衆曰、山僧十二年来挙提宗教、諸人怪我什么処。若要所三経五倫、此去開元寺咫尺。
師、上堂して衆に示して曰く、「山僧は十二年来宗教を挙提するも、諸人怪しむ、我のいかなる処なるやを。もし要(もと)むるところ三経五倫ならば、ここ開元寺を去ること咫尺なり。
禅師が、堂に来て、衆僧らに説教した。
「拙僧がこの寺に来てからもう十二年、ずっと禅の教義を提示してきたのに、諸君らはいつもわしが何をしているのか不思議がってきた。もし経典や戒律の話を聞きたいのなら、すぐ近くに開元寺という立派なお寺がありますよ―――」
と、
言訖告寂。
言い訖(おわ)りて寂を告ぐ。
言い終わったときには、死んでいた。
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「景徳伝燈録」巻十八より。
うーん、死んでしまいましたね。