.「ぶに・・・ぶに・・・」海面に浮かび上がったアンコウくん。水圧が急激に減って、ハレツして空気が抜けてしまったのだ!
ふがふが・・・。ちょっと目が覚めたが、カレンダーを見たらまだ冬至前だ。また冬眠に戻ります。
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唐の時代のこと、趙州従諗禅師のもとに、あるおえらい役人が参禅に見えて、禅師に質問した。
和尚還入地獄否。
和尚また地獄に入るや否や。
「和尚、あなたもまたジゴク行きなのでございますかな?」
いい質問である。それが証拠に禅師はうっちゃっておかずに、お応えになられた。
老僧末上入。
老僧末上に入る。
「末上」は当時の口語で、「最初に」の意。
「わしのような者こそ、最初にジゴクに行きますな」
「ほう」
おえらがたはまだ納得出来なかったのでしょう、続けて言った。
大善知識為什么入地獄。
大善知識、什么(しよう)に地獄に入るや。
「大いなる善知識(高い功徳を持つ僧侶)が、どうしてジゴク行きになるのですか?」
禅師、曰く、
我若不入、阿誰教化汝。
我もし入らずんば、阿誰(あすい)か汝を教化せん。
「わしがジゴクに行きませんでしたなら、誰があなたを教え導くんですかな?」
ここがジゴクだ、ということかも知れませんよ。
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「五灯会元」巻四より。
わざわざジゴクに目を醒まして戻って来る必要もございますまい。ゆえに、春になってから起きてくることにします。
「ぶにぶに」空気が抜けて陸上適応に成功したアンコウくん。しかしこの地上こそジゴクかも知れないのだぞ。