「ぶにぶに〜」もうダメだ。あまりに表面近くまで来たので体がパンパンに肥り、アンコウくんは間もなく破裂か・・・。
本日はMT氏宅でお呼ばれす。美味かった。が、この三日でこの三か月かえて減らした3キロがそのまま増えた。過去に努力した肝冷斎たちから
「何やってるんでちゅか、近頃の肝冷斎は」
と責められ、現在の肝冷斎は困窮している。
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今年もだんだん押し詰まってくる、というのに、この困窮はどうしたものであろうか。
未掘門松穴、 いまだ門松の穴を掘らざるに、
先聞煤掃音。 先に聞く、煤掃きの音。
まだ門松を植える穴を掘れてないのに、
もう年末の煤掃きの音が聴こえてきた。
釜随賃餅走、 釜は賃餅(ちんもち)に随いて走り、
豆入福茶沈。 豆は福茶に入りて沈む。
「賃餅」というのは、年末の二十五日とか二十六日に餅つき道具一式を持ってやってきて、賃金をもらって餅を搗くサービス業をいう。だいたい五六人で来て、あちこち頼まれて忙しいので、釜や臼杵を担いで走って移動したという。「福茶」は正月に茶に梅干しや大豆を入れて煎じた祝いの茶。
釜は賃餅に担がれて、あちらへこちらへと走り回っている。
豆は福茶に入れられて、ぐつぐつ煮られて底に沈んでいる。
年内無余日、 年内に余日無く、
世間多借金。 世間に借金多し。
もう今年の年内には余された日は無いが、
世の中には借りた金がたくさんある。
どうすればいいのであろうか。
空空待正月、 空空として正月を待つに、
却羨子供心。 却って羨む、子供の心。
手元虚しく正月がやってくるのを待っている。
ガキどもが何も悩まずに暮らしているのが、うらやましい。
わーい、コドモが褒められていまーちゅ。
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植木玉p「半可山人詩鈔」巻上より「歳暮急作」。
半可山人こと植木玉pは名・晃、通称・八三郎、天保十年(1839)五十九歳で没した江戸の旗本。昌平黌試験で銀十枚を賜ったという秀才だったそうであるが、二条城城番を勤めて京都に上ったことがある、というほか特段な経歴は伝わらない。彼の狂詩は韻のほか平仄も正しく踏むという画期的といいますかほかに類例の無い作品なのだそうで、化政期狂詩の最高峰と称せらる。
肝冷斎は困窮し肥ったので、動悸や不整脈もマズい。どうせ年末年始にまたゴロゴロして増えるのだから、この時期の増は致命的である。