平成28年8月24日(水)  目次へ  前回に戻る

目から蛍光灯程度の光線を出すなど驚くべき高性能を誇るぶたロボットの出現は、世界征服を成し遂げようとする前兆か。

今週半分終了。あと二日、おとなしく、目立たぬようにして過ごしたいものでございます。

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五胡十六国の中に後趙と呼ばれる国がありました。猲族の石勒が西暦319年に建てた国で華北の一部を支配したが、334年に一族の石虎が簒奪し、翌年建武元年と改元している。

建武十三〜四年ごろになると、この石虎の支配にも陰りが見え始めてきたのだが、ある日、

東海有大石自立。

東海に大石の自立する有り。

山東の海辺に近い地方で、巨石が自然に立ち上がる、という事象が観測された。

「石」が立ち上がる、というだけなら「石氏」にとってはいい兆候にも考えられますが・・・、なんと!

傍有血流。

かたわらに血流有り。

その石の側には、血が流れていたのである。

これは悪いしるしの可能性があります。

これだけならば目立たずに済んだのかも知れませんが、また、当時の首都であった鄴の町近郊の山中で、

石間血流出。長十余歩、広二尺余。

石間に血流出づ。長さ十余歩、広さ二尺余なり。

石と石の間から血が流れているのが発見された。その血流は長さ十数歩に及び、幅は60センチぐらいもあったのである。

このことは都のひとたちのウワサにも上り、情報は帝の石虎にも報告されて、

「むむむ・・・」

と、深刻に受け止められたのであった。

そんなとき、宮中でも大事件が発生した。

大武殿画古賢、悉変為胡。

大武殿に古賢を画くに、ことごとく変じて胡と為る。

大武殿にはいにしえの賢者たちの肖像画が飾られていたが、これがすべて変化して、異民族の顔になっていたのである!

「あわわ」

しかも

旬余頭悉縮入肩中。

旬余にて頭ことごとく縮みて肩の中に入れり。

十日ほどすると、今度は、頭部がすべて縮んで、肩と肩の間に入り込んでしまったのである。

ひえええ――――!

とわたしなどあまりの恐怖に前後不覚に陥ってしまいそうですが、帝は

大悪之。

大いにこれを悪(にく)む。

このことをたいへん嫌悪した。

冷静に感情を害していたようです。

やがて再び帝位は簒奪され、さらに315年には国自体が滅んでしまった。

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歴史上の国家の存亡に関わる(と思われた)不思議な事件を、これでもかこれでもか、ひっひっひー、と執念深く集めた唐・陸勲集「集異志」巻四より。

えー、わたしは、こういうふうには目立たぬようにして、人知れず血の涙などを流していようかと思いますのじゃ。

 

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