安全な樹上で食うバナナはシアワセの味でモンキ。
しごとツラくてシアワセの味がしないんです。
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ところで今日の夕方は風強かった。
強い風の中、町中で還初道人に出会った。道人曰く、
疾風怒雨、禽鳥戚戚。 疾風怒雨には、禽鳥も戚戚(せきせき)たり。
霽日光風、草木欣欣。 霽日光風には、草木も欣欣(きんきん)たり。
はやての風吹き、怒ったように雨が降る。そんなときにはケモノや鳥も心配そうになるものじゃ。
晴れやかな日が射し、光輝く風が吹く。そんなときに草や木でさえ喜んでいるようじゃが。
―――そうですか。それでは、今日の疾風にはケモノや鳥も驚いていたことでしょう。
可見。 見るべし。
天地不可一日無和気、 天地に一日も和気無かるべからず、
人心不可一日無喜神。 人心に一日も喜神無かるべからざるを。
これでわかるじゃろう。
天と地の間の世界には、いつも和やかな気分がなければならず、
人間の心には、いつも喜びの精神がなければならないことが。
和やかな気分、喜びの精神、おまえさんがこれらを持てば、ケモノや鳥も、草木さえうれしそうになるのじゃ。ニンゲンには喜び楽しむ部分が無ければならないのですぞ。
そう言い置いて道人は宵闇に消えていった。
―――そうですか。それなら、喜んでみなければ・・・。うふ、うふ、う、う、う・・・。
笑おうとしたが笑えぬ。現世がツラいのである。
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「菜根譚」前集・第六則。大爆笑とかして、この世の憂さを吹き飛ばしたいもんでガスがね。