平成27年9月15日(火)  目次へ  前回に戻る

これはブタかタコか。

相変わらず、毎日毎日昼間は眠いです。今晩こそ早く寝ないと。

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隋のころ、長安のひとが江南の呉の地に行った。

呉のひとが「筍」(タケノコ)というモノを煮て食わせてくれたが、なかなか美味い。

華北では「タケノコ」など見たことが無かったので、

「これはナニモノですかな?」

と問うに、呉ひと答えて、

曰、竹也。

曰く、「竹なり」と。

言うに、「要するにこれは竹ですよ」と。

長安に帰って、ある日、市場で敷物の「簀」(サク。すのこ)を見かけ、商人に

「これはナニだ?」

と聞くと、商人答えて曰く、

「これは、要するに竹を編んだものでございます」

と。

「これは竹なんだな」

そこで喜んでこれを買い求め、

帰煮其簀、不熟。

帰りてその簀を煮るも、熟せず。

家に持ち帰って早速そのすのこを煮てみたが、少しも柔らかくならない。

そのひと、憤然として曰く、

呉人轣轆、欺我如此。

「呉人の轣轆(れきろく)たる、我を欺くことかくの如し」と。

「呉のやつらはうそつきだ。わしをこんなふうにだまくらかしおって!」と。

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唐・侯白「啓顔録」より。「啓顔録」は笑話集なのでこれも笑い話なんです。あ、そうなんですか。

わっはっはっはっは。ああ可笑しいなあ。

ところで、謎が一つ残ります。

なぜ肝冷斎は「轣轆」(レキロク)を「うそつき」と訳したのか。早く寝ないといけないのですが、気が済まないので調べます。

「轣轆」(れきろく)という言葉、もとは車輪が回る時の音から出来た(「ぐるんぐるりん」のような)オノマトペであったようですが、まず「車輪が回る時の音」から「車の跡(わだち)=軌道」の意味になったそうです。そして、

車軌道謂之轣轆。借軌道為詭道也。

車の軌道これを轣轆と謂う。軌道を借りて詭道と為せり。

車のわだち=「軌道」(キドウ)のことを「レキロク」というようになったことから、「軌道」と同音の「詭道」(相手をいつわりだましてことを為す手法)に当てたのである。

なるほど(雅」による)。

謎はすべて解けた! ・・・と確信して、風呂入って寝ます。(またこんな時間になってしまった・・・)

 

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