山中には美しい世界があるのでぶー
明日は山中に帰ります。「平地でゆっくりしていけよ」と言ってくれるひともいますがそうもいきませんでしてな。
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なぜなら―――
左手画円。
左手にて円を画け。
左手で円を描いてみてください。
それと同時に、
右手不能画方。
右手にて方を画くあたわず。
右手で四角を描くのは無理です。
できると思うなら、やってみてください。
同様に、
為君子友、則不能為小人友。
君子の友たらば、すなわち小人の友たることあたわず。
立派な友人と付き合ったなら、もうつまらんやつらとは付き合えない。
「そんなこと無い」と思ったらやってみてください。
それとやっぱり同様に、わたしは山中に隠棲してしまいましたので、もう平地で立派に暮らしているみなさんとは付き合っていけませんのじゃ。うっしっし。
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「意気譜」第六十八条。「意気譜」は清末の帰終居士の著と伝わるが、「帰終居士」(おわりに帰する仏教徒)というのは、「菜根譚」を著した明の洪自誠が「還初道人」(はじめにかえる道教徒)と号したのをもじったので、この書を帰終居士から受け継いだと称する聴濤館主人の序文によれば、この書は「反菜根譚」として書かれたのである、という。野菜の根を咬めるひとは咬合の力の強いひとだけで、ふつうのひとは野菜の葉の部分を食べるのであり、この書はそのようなふつうのひとのために書かれた「警句集」なのだ、そうです。
ところで本日、ついにイザベラ・バード女史の「日本奥地紀行」(高梨健吉訳、平凡社ライブラリー、2000年)を読了。こんな厚い本読めるはずない、と思っていましたが、途中からオモシロくてたまらなくなってどんどん読めた。
わずか140年前ですが、おいらたちの数代前のやつらがいかに変な(今から見て、ですよ)やつらだったかよくわかりました。かなり可笑しい。ぶっひっひ。