平成27年6月19日(金)  目次へ  前回に戻る

白雲生ずるところにも人家あり。理由はわからない。説明できない。

やっと週末。今週は乗り越えられまいと思っていたが、なんとか乗り越えた、というか過ぎ去った。

「おまえなどがよく乗り越えられたな。どうやって乗り越えたんだ?」

と訊ねられましても、説明できない。

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さて、宋の時代のことでございます。

開徳府のとある読書人の家で、

貯水瓷甕、忽有菌生其腹。

水を瓷甕(じおう)に貯うるに、たちまち菌のその腹に生ずる有り。

水を陶器のカメに溜めていたところ、このカメの外側のふくらんだあたりに、突然キノコが生えてきたのであった。

「どうしてこんなところに生えたのであろうか」

観察すると、

隠然而出、植根甚堅、触之不落。

隠然として出で、植根はなはだ堅く、これに触るれども落ちず。

根の方はカメの中に入りこんでおり、たいへんしっかりと引っ付いていて、触ってぐりぐりしても取れなかった。

「不思議なことだなあ」

と感嘆していたが、

数日大如人手。光潤Y然。

数日にして大いさ人の手の如し。光潤ありてY然たり。

数日のうちに、人間の手ぐらい大きくなった。表面には濡れたような光があり、きらきらと輝いているのであった。

「これは仙薬の芝草ではないか」

という人があって、これを削り取って服用してみたところ、病人も健やかに、老人も若やいだということだ。

ああ。

陶器堅滑、非可生物。理莫可詰。

陶器は堅く滑らかにして物を生ずるべきにあらず。理の詰すべきなし。

陶器は堅く、表面はつるつるである。どうしてそこにモノが生えたのか。説明できる理屈はない。

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宋・郭彖「睽車志」巻二より。

説明のできないこともあるものなんですなあ。(カビじゃないかとも思うけど・・・)

 

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