明日はもう日曜日。月曜日の前の日である。あーあ・・・。
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むかしむかし、
有一人、入山学道、得五通仙。天眼徹視、能見地中一切伏蔵、種種珍宝。
一人有り、入山して道を学び、五通仙を得たり。天眼徹視して、よく地中の一切の伏蔵せる種々の珍宝を見る。
あるひと、山に入って修行して、五つの神通力を得て仙人となった。中でも「天眼」と呼ばれる力は、いわゆる「透視」の超能力で、地下に埋蔵されたあらゆるもの―――種々の珍しい宝物も―――の存在を見ぬくことができるのであった。
地雷探知機みたいな感じ?
国王はこれを聞いて、大いに喜んだ。そして
語臣言、云何得使此人常在我國、不余処去、使我蔵中得多珍宝。
臣に語りて言う、「云何(いかん)ぞこの人を常に我が國に在りて余処に去らしめざるを得て、我が蔵中をして珍宝を多く得しめんや」と。
臣下たちに語って言うた。
「なんとかうまいことをしてその仙人に我が国にずっと居てもらい、ほかの國に行かせないようにできないものかのう。そうすれば、我が国の蔵の中は、地中から掘り出した珍しい宝物でいっぱいにできるであろうになあ」
と。
「まったくでございますなあ」
「しかし仙人さまは自由人ですからなあ」
「カネやオンナをあてがっても言うことを聞いてくれませんからなあ」
とみな腕組みをするばかり。
ところでその中に忠義の篤い臣が一人居りまして、彼は日ごろから王さまの役に立ちたいと強く思っていたのだった・・・。
続きはまた明日。
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南朝斉・天竺三蔵(天竺から来た大翻訳家)求那毗地訳「百喩経」より(第三十六話)。
「しごとの大好きなひと」がしなくていいしごとをして困ったことを仕出かしてしまい、「あーあ・・・」になる、というお話ではない・・・といいのですが・・・。