うひゃー、日曜日終わった。明日から五日間、とにかく一時間でも二時間でも休む方法を考えて毎日暮らすことにします。
休みをとったらどうするかな。
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五代のころ、江南の洪州に李夢符という若者がおった。
年可二十余、短小而潔白、美秀如玉人。
年二十余ばかり、短小にして潔白、美秀なること玉人の如し。
二十歳ちょっとぐらいの年齢で、長けは低いが色白で、美しく端正なること、まるで玉で作られたニンゲンのようであった。
行動は自由きままで、
四時常挿花、徧歴城中酒肆、高歌大酔。
四時つねに花を挿し、城中の酒肆を徧歴して、高歌し大酔す。
春夏秋冬、いつも(どこから手にいれるのか)花を冠に挿して、城中の酒場を巡り歩き、酔っぱらって大きな声でうたをうたっていた。
珍しがって彼を招く尊貴のひとも多く、酒を飲ませて歌をうたわせると、注文に応じて新しいうたをすらすら作って歌いだすのであった。
鍾傅という知事が赴任してきて、彼を
以其狂妄惑衆、将罪之。
その狂妄にして衆を惑わしむるを以て、まさにこれを罪せんとす。
狂人のふりをして民衆をたぶらかしているのではないか、と罪に問おうとした。
すると李夢符は獄中から詩を献上してきたので、おもむろに読むと、
挿花飲酒無妨事。 花を挿し酒を飲む、事を妨ぐる無し。
樵唱漁歌不礙時。 樵唱も漁歌も時を礙げず。
花をアタマに挿してお酒を飲んで、何かのお邪魔になりましょうか。
木こりが唄い漁師が歌っても、誰の邪魔にもなりませぬように。
「うーん、なるほどなあ」
鍾竟亦不罪。
鍾ついにまた罪とせず。
鍾傅は彼を無罪放免にした。
そうこうしていると、桂州の知事である李瓊というひとから洪州知事の鍾傅あてに手紙が来た。
手紙には、
夢符乃其弟也、請遣之。
夢符はすなわちその弟なれば、これを遣らんことを請う。
李夢符は桂州知事の李瓊の弟である、ということで、本人にすぐにこちらに来させて欲しい、とあった。
「へー、そんなひとだったのか」
早速鍾傅は部下に命じて、町中に彼を訪ねに行かせたが、
旅舎人曰、昨夢符不帰。
旅舎の人曰く、昨より夢符帰らず、と。
彼が泊まっていたという旅館のひとが言うには、「夢符さんは昨日から戻って来ておりません」と。
「では帰ってきたら出頭するように伝えてくれ」
と伝言が頼まれたが、ひとびとは二度と李夢符のすがたを見ることはなかった。
不知所終。
終わるところを知らず。
そのまま行方不明で、どこでどうなってしまったのか、まったくわからない。
のであった。
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宋・呉淑「江淮異人録」より。
すごい。かっこいい。シビれる、あこがれる。
肝冷斎も休みがとれたら
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アタマに花を挿して昼間から酒飲む。
A
留置場に放り込まれて詩をつくる。
B
その終わるところを知らなくなる。
のどれかはやります。おそらくBまで行くと思います。