引き続き、道教的世界観を勉強します。
昨日は空間構造的な道教的世界観を勉強しましたので、今日からは生成論的に道教的世界観を勉強します。
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原夫道家由肇起、自無先垂跡応感生乎妙一。
かの道家の肇起を原(たず)ぬれば、無よりまず跡を垂れて応感して妙一を生ず。
世界の始まりについて、道教の考え方を突き詰めると、無からはじまるのである。無はその形跡を残し、これが感応して「妙なる一」が生まれるのである。
なんかすとんと行きませんが、無から一が生じるのだそうだ。
妙一分為三元、又従三元変成三気、又従三気変成三才、三才既滋万物斯備。
妙一分じて三元と為り、また三元より変じて三気を成し、また三気より変じて三才を成し、三才すでに滋(あまね)くして万物ここに備わる。
「妙なる一」が分かれて「三つの世界単位」になり、さらに「三つの世界単位」は変化して「三つのエネルギー」になり、また「三つのエネルギー」は変化して「三つの材質」になる。「三つの材質」が世界に行きわたると、ここに万物ができあがるのである。
其三元者第一混洞太無元、第二赤混太無元、第三冥寂玄通元。
その三元なるものは、第一に混洞太無元、第二に赤混太無元、第三に冥寂玄通元なり。
「三つの世界単位」とは何ぞや。@カオス空間の大いなる無の世界、A光輝くカオスの大いなる無の世界、B光無き暗く深きところに通じる世界の三であるのじゃ。
次に、@が天宝君、Aが霊宝君、Bが神宝君という神格を化生する。この三君がそれぞれの元が作り出す時空(「洞」)を主宰するのじゃ。
そして、三洞は変化して三つの世界、すなわち「三清境」となるのじゃ。(←昨日、三界の上の上四天のさらに上にあるとされた「三清境」がここに出てきました。)
「三清境」の名は、それぞれ玉清、上清、太清。これがまたそれぞれ清微天、禹余天、大赤天の「三天」でもあるのじゃ。そしてまたまた洞真、洞玄、洞神の「三洞」でもあるのじゃ!
以上の関係、及びそれぞれの「色」を整理すると以下のとおり。
(元) (境) (天) (洞) (色)
天宝君 ・・・ 混洞太無元 玉清境 清微天 洞真 「始青」(始原の青)じゃ。
霊宝君 ・・・ 赤混太無元 上清境 禹余天 洞玄 「元黄」(本原の黄)じゃ。
神宝君 ・・・ 冥寂玄通元 太清境 大赤天 洞神 「玄白」(玄妙の白)なのじゃ!
されど、この「洞」「境」「天」の三つの呼び名は異なるといえどもそのもとは同一なり! (←なら別々にするなよ、と言いたいが・・・)
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―――かなり勉強になりました。次に「三十六部尊経」とは何か、というお話に移るのですが、これ以上一日で勉強しようとすると詰め込み教育になってしまうので、わたしどもはゆとり教育ですので今日はここまでとさせていただきます。しごともツラいし。「雲笈七籤」巻三より。