←欸乃一声、山水緑なり。
今日は新暦の苦月窮日だ。なんとかして現状を打破したいが・・・。世間はオリンピックするというので盛り上がっているらしいし、この機会に・・・。
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世間で最近流行りの話題に参加してみます。
唐の開元年間、
都中名姫楚蓮香者、国色無双。
都中の名姫・楚蓮香なる者、国色無双なり。
都・長安に名高い妓女・楚蓮香という方がおられまして、一国を代表するような可憐の容貌、まことに並び立つも無いほどであった。
美しい女性にはにょろろ〜んとなりますのがオトコの常でございます。
時貴門子弟争相詣之。
時に貴門の子弟、争いてこれを相詣す。
そのころ、富貴の一族の若いひとたちは、争うように彼女のもとを訪れたものであった。
けれど彼女は誰にも靡かなかったのである。
ところでこのひと、どこにいるかがすぐわかった。
家の中にいてもお出かけのときも、いつも
蜂蝶相随。
蜂・蝶あい随えり。
ハチとチョウが彼女のまわりにまとわりついていたからだ。
なぜというに、
慕其香也。
その香を慕うなり。
彼女の甘やかなからだの香に魅きつけられたからである。
甘い体臭の「あまちゃん」だったのでしょう。いつもムシにまとわりつかれるというのはあまり楽しくはないかも知れません。
されどその容色もやがて衰え、開元から天宝へと元号の替わるころには落魄して、田舎わたりの人の囲い者になった、とも、身を隠してその行方知れなくなった、とも言い伝う。
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え? テレビ観てないから知らないけど、「あまちゃん」ってそういう意味ではない? へー。
まあ世間で流行りのことなどどうでもいいや。五代・王仁裕「開元天宝遺事」巻上より。