更新サボるとすごい楽チンなので、今日もサボるともう二度と更新しなくなるような気がいたします。ので、今日はがんばって更新する。
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唐のころ、渤海の高嶷という富豪があった。
このひと、からだにいいと人が勧めるので、毎日タマゴを食い、三日に一回はメンドリの肉のスープを啜って養生していたのだが、あるとき突然体調が悪いとうったえ、
患月余日、帖然而卒。
患うこと月余日にして、帖然として卒す。
ひと月余り病んで、ふと死んでしまった。
しかしまだ心臓が暖かいので、喪を発せずにいたところ、
経日而蘇。
日を経て蘇(よみがえ)る。
一日経って生き返った。
生き返って、まわりの者らに言うに、
「わしは裁判所のようなところに引きずり出された。そこにはわしより先に
有一白衣人眇目、把牃冥司、訟殺其妻子。
一の白衣人の眇目なる有りて、牃を冥司に把り、その妻子を殺せりと訟(うった)えたり。
白い服を着た片目の老人がおって、あの世の裁判官に訴状を提出し、わしを指さして「こやつがわしの女房や子どもを殺したのでございます」と訴えていた。
「老いて妻と子を奪われたこの苦しみが、わかるか!」
と呼ばわって、わしを睨んだその片目の、怨みのせいで赤く血のように染まった眼差しは凄まじいものであった。
しかしその老人、わしには記憶がない。そこで
元不識此老人。
もとよりこの老人を識らず。
「わたしにはこの老人に面識はござらりませぬ」
と申し立てた。
老人はわしの方を赤い片目で睨み据え、
「ああ、またあのようなたわごとを!」
と抗議しておったが、裁判官はいろいろと帳簿を調べて、白い衣の老人には
「おまえの訴えは通らぬ」
と申し渡し、わしの方に向かっては
君命未尽、且放帰。
君命いまだ尽きず、まさに放ち帰さん。
「おまえの命はまだ残っている。すぐに帰してやろう」
と言うたのであった。
それで、気がついたらここに戻っておった」
・・・・・・・・それから、数日、高嶷はようやく床から立ち上がれるようになり、縁側から中庭を見ていたとき、
「そうか、おまえであったか」
と一人で呟くように言って、家人に
「それを射殺せ」
と命じた。
「は?」
高嶷が指さしたのは、
家中老瞎麻鷄也。
家中の老いたる瞎麻鷄なり。
家で飼っていた年老いて片目の潰れたオンドリであった。
そのオンドリの残った方の目は、何かの病気のせいか、血のように赤かったのだ。
このオンドリを殺してしばらくすると、高嶷の病は癒えたのである。
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唐・張鷟「朝野僉載」巻四より。
わしも心身の調子が悪いのは、からだにいいかも・・・と思っていろいろ食い過ぎているからであろうか。今日も体重が増えた。というかもう身体的に持たないところまで自分を追い込もう、心の方が思っているのであろう、というぐらい食うのである。病的である。