平成24年12月29日(土)  目次へ  前回に戻る

 

今日もわたくし肝泥斎が・・・。今日も有名古典縛り。

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人生つらい・・・と思いましたら、どうぞこのコトバを思い出してくだされ。

若真言門修菩薩行諸菩薩、深修観察十縁生句、当於真言行通達作証。

もし真言門に菩薩行を修むる諸菩薩は、深修(じんしゅ)して十縁生句(じゅうえんしょうく)を観察し、まさに真言行において通達し作証すべし。

もし、真言(マントラを中心とした密教)の部門においてボサツとしての実践的な修行をおさめようとするボサツ(修行者)は、深く修行していわゆる「えにし(一定の前提条件)があるときにだけ生まれる十のもの」についての教えをよくよく観察し、真言部門における修行の中でそれらに通じ、理解し、体得しなければならぬ。

では、その十縁生(「えにし」があるときにだけ生まれる十のもの)とは何であるか。

謂如(いわく)、

@       ・・・・・起床中に見る「幻覚」

A   陽焔   ・・・・・かげろう

B       ・・・・・睡眠中の「夢」

C       ・・・・・影

D   乾闥婆城(けんだっば・じょう) ・・・・いわゆる「蜃気楼」

E       ・・・・・音に対する「響き」。こだま。

F   水月(すいがつ)  ・・・・・水に映った月

G   浮泡   ・・・・・水のあわ

H   虚空華  ・・・・・目の衰えなどによって見えるちらつき。眼花。

I   旋火輪  ・・・・・闇の中で火のついた棒をぐるぐると回したとき、遠目には炎の輪が回転しているように見える、その輪。

である。

これらは、ひとの側の考えちがいや目の錯覚などの前提となるものがあって、はじめてある(ように見える)ものであり、実体ではない。これらをよくよく観察し、思念して、(これらだけでなく)すべてのものに実体が無いことを体得しなければならないのである。

人生なんてすべて実体のないスカスカのもの。こちらの側の錯覚で「ある」と思い込んでいるだけのものなのじゃ。

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と、「大日経」巻一に書いてありました。「大日経」は大日如来が説いたことになっているので「大日経」と呼ばれますが、正式名称は

大毘盧遮那成仏神変加持経(だいびるしゃな・じょうぶつじんぺんかじ・きょう) 

→ 大いなるビローチャナさま――大いなる太陽の神(大日如来)――が真理をおさとりになった(「成仏」)ときに、さまざまな形をとって出現(「神変」)され、不思議な力を(ひとびとに)加えてくださる(「加持」)ことについて説いた経典

であり、密教の根本経典の一つとされる有名古典である。経典の翻訳や暦・数学の分野で天才的なしごとをした僧・一行の翻訳にかかり、我が朝には空海さまが請来したということである。

ちなみに僧一行は民族の誇りたる偉大な科学者、として、中華人民共和国の切手にもなっておられるほどの有名人。

今日は若いもの(わしの「教え子」ですよ)が沖縄まで来てくれたのでさっきまで飲んでいた。ちょっと頭痛いけどうれしい気持ちでハイ。

 

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