明日早いんです。
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なのにある人やって来て、言う。
春秋二候、天気澄和。
春秋の二候、天気澄和なり。
「春と秋の二つの季節は、天の気が澄み、また和やかですなあ」
「そうですな」
ととりあえずすげない返事をしますと、その人、言う。
「この時期には、
人亦中夜多醒、万籟咸寂、月色当空。
人また中夜に多醒すれば、万籟みな寂として月色空に当たらん。
人間もよく真夜中に目を覚ましてしまう。すると、すべての物音が静まりかえっていて、空には銀色の月が輝いているのが見えたりするのですよ」
「はあ(発汗が減るため尿意により起きやすくなる傾向があるらしいが・・・)」
その人、続けた。
「そんなときには、
横琴膝上、時作小調、亦可暢懐。
琴を膝上に横たえて、時に小調を作せば、また懐(おも)いを暢(の)ぶべし。
琴を膝の上に横に置き、ときおり短い曲でもつま弾けば、こころもひろびろとしていくことでしょう。
そう思いませんか?」
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この人は明の大文人・屠赤水先生。「考槃余事」巻二「論琴」より。
みなさんはどう答えておきますか。
A いや、今晩は台風のかぜがびゅうびゅうとうるさいですよ。
B 明日しごとが無ければね。
C 夜中に楽器弾くと近所が・・・家族が・・・。
D 眠い。
とにかく明日早いんで、もう寝ます。