平成24年9月22日(土)  目次へ  前回に戻る

 

週末はいいなあ。頭痛くても幸せ。秋分だし。

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19世紀のはじめのころの、ある冬の日のことでございます。

うちのおじきの澄淵先生は当時、会稽・青浦の陸家圩に住んでいた。

夜大雪。

夜、大いに雪ふれり。

ある夜、一晩中、大いに雪が降り積もった。

朝になり、おじきは

「よう積もったのう」

と隣家と挨拶しあいながら家の戸を開け、雪で真っ白になった近所を見渡していたが、やがておかしなモノに気が付いた。

至陸縄武家、見屋上印女子履跡。

陸縄武の家に至りて、屋上に女子の履跡の印さるを見る。

陸縄武の家の屋根に、どういうわけか、女性の足迹がついているのが見えたのだ。

「な、なんだあれは・・・」

近所の人も集まってきて、一騒ぎになった。

その足迹、

長約三四寸、来者去者歴歴可弁。

長さ約三四寸、来たるものと去れるものと歴々として弁ずべし。

長さは10〜15センチぐらいであろうか、こっちからあっちへ行く跡とこっちからあっちへ帰る跡がどちらもはっきりと認められた。

纏足の足跡だから小さいのである。

無隣比之屋、悉皓潔無踪。

隣比の屋には無く、ことごとく皓潔にして踪無し。

隣や向かいの家の屋根には何の跡も無く、どの家の屋根も真っ白に雪が積もっているのである。

ひとびとが集まっているのに気づいて、陸縄武自身が

「いったい何があったのだ?」

と家から出てきたので、みな「あれを見ろ」と屋根の上を指さしたところ、陸は

「な、なんじゃあ?」

とあんぐりと口を開けるばかりで、彼にも何の心当たりも無かったのであった。

その後、陸家にも当地にも特に変わったことが起こったわけではないらしいが、結局何者の足迹だったのであろうか。雪が積もるたびに、次はどこそこに現れるに違いないと、一時はみなずいぶん騒いだものである。

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清・明斎先生・諸聯「明斎小識」巻四より。

わたしも昨夜、OMRまちのコインランドリー付近の街路樹に変なモノ目撃した。雷雨始まると那覇市街の方へ屋根伝いに飛び去って行ったが・・・。小さなニンゲンみたいな・・・。(おそらくどこかから逃げ出したサルだろうと推測しますが・・・)

この世界にニンゲンの知らないイキモノはもうほとんどいないのだが、ときおり次元の割れ目から迷い込んでくるモノまでは予測できないのだ。

 

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