平成24年3月26日(月)  目次へ  前回に戻る

 

明日は東京で怒られる・・・。

日帰りで東北出張はやっぱりきついですよ。そして帰ってきてからまた職場、では、おいらの年齢ではもうついていけない。こんな生活ばかりしていますと・・・

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むかし、一人の士人(読書人階級のおとこ)があったが、努力の甲斐あって科挙に合格して進士となった。

そのお祝いに役所で宴会があり、これに赴いてしこたま飲んだという。

座上一妓、絶色。

座上の一妓、絶色なり。

その座に侍っていた妓女のなかにとりわけいい女が一人いた。

当時(宋代)の妓女は官設妓女(公妓)であり、官吏たちの公私の宴会に侍るのしごとでありました。

この妓女、杯を注ぐにもきわめて居住まい静か、決して袖口から手を出すことがない。

「指はどうなっているのかな?」

と宴席の男どもがむふむふと訊ねても、微かに笑みを美しい口元に浮かべるばかりだった。

そこで酔っぱらった新進士が、

為六指乎。

六指たらんか。

「指が六本ぐらいあるんではないかあ?」

と寄りかかり、

強牽。

強く牽けり。

強く腕を引っ張ったのだった。

其妓随所牽而倒。

その妓、牽くところに随いて倒る。

女は、抵抗もせずに、引っ張られるままに崩れるように倒れた。

女は倒れるとき、乾ききった音を立てた。

一瞬のことである。

―――あ!

気づいたとき、そこに崩れるように倒れていたのは、美しい女ではなく、女の衣と、その中の

乃一副枯骸也。

すなわち一副の枯骸なり。

一揃いのガイコツだったのだ。

士人は一時に酔いが醒めてしまい、あわてて女の衣を拾い上げようとしたところ、ごろりと頭蓋骨が転がり落ちて、足の上に落ちたという。

その晩、その足先から痛み出して、いまだいくばくならずして

即死。

即ち死せり。

ただちに死んでしまった。

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という、このひとのようにもうすぐわしも・・・・てしまうかも。

ちなみにこの簡潔極まりないお話は闕名氏(←ケツメイシ。著者未詳、の意)の「異聞総録」巻三より。理屈も何もないすかっとさわやかな読後感がいいですね。

 

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