明日は東京で怒られる・・・。
日帰りで東北出張はやっぱりきついですよ。そして帰ってきてからまた職場、では、おいらの年齢ではもうついていけない。こんな生活ばかりしていますと・・・
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むかし、一人の士人(読書人階級のおとこ)があったが、努力の甲斐あって科挙に合格して進士となった。
そのお祝いに役所で宴会があり、これに赴いてしこたま飲んだという。
座上一妓、絶色。
座上の一妓、絶色なり。
その座に侍っていた妓女のなかにとりわけいい女が一人いた。
当時(宋代)の妓女は官設妓女(公妓)であり、官吏たちの公私の宴会に侍るのしごとでありました。
この妓女、杯を注ぐにもきわめて居住まい静か、決して袖口から手を出すことがない。
「指はどうなっているのかな?」
と宴席の男どもがむふむふと訊ねても、微かに笑みを美しい口元に浮かべるばかりだった。
そこで酔っぱらった新進士が、
為六指乎。
六指たらんか。
「指が六本ぐらいあるんではないかあ?」
と寄りかかり、
強牽。
強く牽けり。
強く腕を引っ張ったのだった。
其妓随所牽而倒。
その妓、牽くところに随いて倒る。
女は、抵抗もせずに、引っ張られるままに崩れるように倒れた。
女は倒れるとき、乾ききった音を立てた。
一瞬のことである。
―――あ!
気づいたとき、そこに崩れるように倒れていたのは、美しい女ではなく、女の衣と、その中の
乃一副枯骸也。
すなわち一副の枯骸なり。
一揃いのガイコツだったのだ。
士人は一時に酔いが醒めてしまい、あわてて女の衣を拾い上げようとしたところ、ごろりと頭蓋骨が転がり落ちて、足の上に落ちたという。
その晩、その足先から痛み出して、いまだいくばくならずして
即死。
即ち死せり。
ただちに死んでしまった。
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という、このひとのようにもうすぐわしも・・・・てしまうかも。
ちなみにこの簡潔極まりないお話は宋の闕名氏(←ケツメイシ。著者未詳、の意)の「異聞総録」巻三より。理屈も何もないすかっとさわやかな読後感がいいですね。