韓流ですわ、韓流。韓流の宣伝すると韓国何たら公社から支援金がなんたらかんたら・・・。
そこで当HPでも韓流的なことを書いてみます。
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朝鮮儒といえばまずはどなたも李退溪に指を折るのだと思いますが、その李退溪とほとんど同時代を生き、
嶺左の退溪、嶺右の南冥
と並び称された徳山の曹植、南冥先生のことも忘れてはなりません。
※李退溪 1501〜1570 曹南冥 1501〜1572
曹南冥といえば、なんといっても「敬義挟持」の説が名高い。
大学の八条目を思い出してください。
@ 格物 A 致知 B 誠意 C 正心 D 修身 E 斉家 F 治国 G平天下
この八条目をさらに二つにまとめると、
(1)敬内 内を敬にし、 内面は「敬」(つつしみ)の徳を以ておさめ、
(2)義外 外を義にす。 外面は「義」(ただしさ)の徳を以てことを行う。
になる、ということになっております。とにかく、朱晦庵先生が周易・坤卦彖伝の「敬以て内を直くし、義以て外を方にす」の解釈に基づいてそのように分類したのであります。
さて、@〜G、どこまでが(1)でどこからが(2)だと思いますか。単純にいえば、@〜Cが(1)である、という通説と、@〜Dが(1)だという有力説があります。ゲンダイ人の感覚では@〜Dの方が正しいように感じるのですが、わたくしごときが決めてもしようがないので、とりあえず二説ある、ということでございます。
南冥先生は通説に立っておられる方ですが、その生活・行動を通じて、「敬」と「義」をたいへん重視され、一挙手一投足はもとより、一念の兆しについても「敬義」から外れることのないように振る舞われたということで、有名なのでございます。
南冥書室有板窗、左書敬字、右書義字。
南冥の書室に板窗あり、左には敬字を書し、右には義字を書す。
南冥の書斎には板をくりぬいた額縁があり、左には「敬」の文字、右には「義」の文字が掲げてあった。
其敬字辺旁、細書古人論敬要語、常目撃而心念之。
その敬字の辺傍に、古人の「敬」を論じし要語を細書して、常に目撃して心にこれを念ず。
その「敬」の字のまわりには、いにしえ以来の思想家たち(←程伊川や朱晦庵らでしょう)の「敬」について論じた重要な言葉を細かく書き込んであって、先生はいつもこの細かい文字を目で読んで、心に内容を刻み付けていたのである。
えらいひとですね。
かつてこうも言っていた。
吾家有此両箇字、如天之有日月、洞万古而不易。聖賢千言万語、要其帰、都不出二字外也。学、必以自得為貴。
吾が家にこの両箇字あるは、天の日月あるが如く、万古を洞して易わらざるなり。聖賢の千言万語といえども、その帰を要すれば、すべて二字の外を出でざるなり。学は、必ず自得を以て貴しと為す。
わが儒学の学系に「敬・義」の二文字があるのは、天にお日様とお月様があるようなもので、何万年をも貫いてかわらない真理であるのじゃ。古代より聖人・賢者がいくたりも出て何千何万のありがたい言葉を残しておられるが、その帰着するところをまとめれば、この二文字以外のことは無いのじゃ。言っておくが、学問というのは耳で聴いていてもダメで、本当に自覚して身につけないといかんのじゃぞ。
さて、
至于疾革之日、猶頌其語不絶口。寝疾逾月、精爽不乱。其与学者語、猶以行己大方、出処大命、諄諄不倦。
疾革まるの日に至るも、なおその語を頌して口に絶せず。寝疾月を逾(こ)ゆるも精爽乱れず。その学者と語るに、なお己を行うの大方、出処の大命を以てし、諄諄として倦まざるなり。
病気が一段と悪くなり、とうとう危篤状態になったときも、その口ではぶつぶつと、上述の「敬」字の傍に書していた古人の「敬」に関する言葉を唱えていた。危篤状態は一か月にも及んだのだが、その間も少しも心が乱れたようなふうはなく、なお弟子たちに、ひとのふるまいは如何にあるべきか、世の中に出るべきときと隠棲しているべきときはどのように判断するのか、じっくりと説いて、厭きることも疲れるふうもなかった。
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「南冥先生行状」より。
先生は朱子の「心は神明の舎(やどり)である」というテーゼを敷衍するため、「神明舎の図」というものを作っている。城壁(自意識?)により夢や鬼から護られた城内に「神明舎」があり、目門と耳門が外界に向かって開かれており、口門から修辞や忠信が出ていく―――城壁のあちこちには審几が置かれ大壮旗が立って守備に当たっている、という図である。
おもしろい。タメになる。読み取ってアップしたいところですが、そういう技術使いこなせないので。
ところで、岡本全勝氏のHPでわたくしのHPが取り上げられているらしいのです。そのような知らせを受けただけで、どのような内容かまだわかりません。今日の更新をアップしたあと観に行こうと思いますが、叱られているのか、貶されているのか、それとも毀たれているのでございましょうか。あんまり貶されていたら目門を閉じてしまおうと思いまちゅ。
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