毎日午後になると白昼の会社で居眠りしてしまいます。週末はあまりに遠い。もうだめだ。
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しかし、こんなひともいた。
賈真人、唐人。
賈真人は唐人なり。
唐の時代、賈という道教の真理を知るひとがおられた。
このひとは、四川・巴州の難江県にあった小さな道観に住持していたが、ある日、
白昼、登仙。
白昼に登仙せん。
今日の昼ひなかに、わしは仙人となって天に登るであろう。
と言い出した。
「本当であろうか」
と、ひとびとが昼ごろ道観に行ってみると、既に人だかりがあり、
「真人はすでに登仙されたらしい」
と言い合っている。
人だかりを押し分けて進むと、道観の壁に、次の両行が書きつけてあった。
此後不知誰有分、 この後知らず、誰か分ありて、
壁間留得上天梯。 壁間に天に上るの梯を留め得んや。
これから後の世には、だれかわしのように仙人になる能力を得て、
壁に天に昇る「はしご」(「手がかり」)を残して行く者がいるだろうか。
これを見るに、真人が登仙したことは確かであろう。
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これは南宋の王象之の編んだ地理書「輿地紀勝」(巻187)に書いてありました。地方の田舎者の伝承がたくさん記されているので、ほんとに可笑しい。ごろごろしながら読んでいて、「ぷ」と笑ってしまうほどである。また、南宋の時代のチュウゴク、ですから、すごく狭いです。そのときの版図が広くなると、尖閣やちべっとまで歴史的にチュウゴク領だと言い出しますから弾力的な方々ですね。(同じ「国家」じゃないんですけどね)
とはいえ、白昼に天に昇るひともいたのである。いつまでも会社で居眠りしていてはいかん。わしもそろそろでかいことを・・・。