また今日も「たしかあの本はこのあたりにあったはず・・・」と探している間に、すごい深夜になってきてしまいました。しかもその本は見当たらず。明日もしごと(はほとんどないけど出勤)する必要あるので断念す。
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@ その一
客有好弈者。
客に好弈者あり。
あるところに、碁の大好きなひとがおった。
このひとがある家に行って、勝負をする。先にこの家の長兄と碁を打って連勝した。
ちょうど昼飯時である。
「どれ・・・」
長兄はやおら立ち上がり、
「ちょっと飯を食ってまいります。その間、弟に相手をさせまする」
弟と碁を打って連勝した。
すると、弟もやおら立ち上がり、
「わしはそろそろ畑仕事に出なければなりません。その間、末弟に相手をさせまする」
末弟と二番打っていると、ようやく長兄が戻ってきて、
「おまえは勉強をしてこい。では、勝負しましょう」
とまた碁盤に向かいあった。
そのひとさすがに腹が減って、ついに一番敗れてしまったという。
A その二
あるお寺に、一丈もの高さのお釜があった。
このお寺では法事などで多数のお客が来ると、このお釜でご飯を炊くのである。そして、このお釜に一本だけ梯子をかけておくのだ。
お客たちは法事が終わった後、
一人進去吃了出来、又喚一人進去吃。
一人進みて吃了し出来すれば、また一人を喚びて進んで吃せしむ。
一人づつ梯子に上ってごはんを食べさせる。一人が食べ終わると、次の一人を昇らせて食べさせるのである。
お客たちは待っているのに厭きて食事をせずに帰ってくれる、という寸法なのである。
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といずれも「広笑府」巻五に書いてあったが、わしが追い込まれている状況もこれらに類するのではなかろうか。