平成23年8月9日(火)  目次へ  前回に戻る

 

今日はワタクシの用で横浜まで二回往復したり、たいへんだったんです(おかげで居眠りする時間は普段より多かったが)。

もう眠いし寝ようかな・・・。

と、この世という宿の主人から、

「寝る前に何か書いてけ」

と言われました。

「いや、もう眠いのでので・・・」

と答えましたが、

「ダメだ」

というので、わしは筆に淋漓と墨含ませて、書いたのであった。

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世人結交須黄金。  世人 交わりを結ぶに黄金を須(もち)う。

黄金不多交不深。  黄金多からざれば交わり深からず。

縦令然諾暫相許、  縦令(たとい)然諾(ぜんだく)してしばらく相許すも、

終是悠悠行路心。  ついにこれ悠々たる行路の心。

 世間のひとは付き合いをするのに、カネの有る無しから入るらしい。

 カネが多くなければ付き合いも深くなくなるものらしい。

 たとえ「よし、わかった」と今夜は互いに認め合っても、

 明日はもうはるかに旅の人どうしのように心離れていくものだ。

〽 カネのあるやつは俺んとこへ来い 俺もあるから心配するな ・・・・

の世の中なのでございましょう。

「なんだと! わしはカネで動くニンゲンではないぞ」

と(みなさん)怒ってくるかも知れませんが、これはもちろんわたしが書いたのではなくて、唐の時代、張謂というひとが長安の旅宿の壁に書きつけたものである。(「唐詩選」巻七

それをわたしは長安の宿屋ではなくて、この世という仮の宿屋の壁に書きつけたわけ。その意、明らかでありましょう。うっはっはー。

 

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