知人(大先輩ですが)が今度、政府の被災者救済のしごとをすることになったらしい。少しは自分も役に立ちたい、とは思うのですが、毎日コンビニで少額の寄付をするのが精いっぱい。
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ところで、肝冷斎は、昨日、江蘇省社会科学院明清小説研究中心文学研究所編「中国通俗小説総目提要」(1990中国文聯出版公司)という本を買ってきました。重かった。
シナのいわゆる白話小説、章回小説、一部の筆記小説総計1,164篇について、その成立と概要、章立てについて解説したもので、1400数ページある。
これを上からいやらしそうな目でながめ、下から嘗めるように見、背表紙をさすり、見返しを撫でまわし、一枚一枚、ウスギヌの衣や纏足の靴下を剥ぎ取るように、拾い読みして
「ひっひっひ」
「うはうは」
「これはこれはのう」
と一人で老いらくの夜の灯を燃やしておりましたので、昨日は更新できませんでしたのぢゃ。
たとえば、まったく無作為にページを開きましてp381を見ますと、
烟水散人戯述、嘯花軒刊「灯月縁奇遇小説」全十二回・上海図書館現存
という小説(前後からみて光緒年間の刊本カ?)の紹介が載っております。あらすじを見てみますと、要約するに、
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明の崇禎年間に湖広黄州府の読書人・真家に、真楚玉という男の子が生まれました。
この子は長じてたいへんな美少年になった。その美貌を生かして、次々と女性(と一部の男性も)を籠絡していきます。
明末清初の混乱の中、幾多の誘惑、情事、裏切り、流離、誘拐、逃走、さらには妖狐の変じた美女との快楽生活による尽瘁とそこからの復活・・・などの末、真楚玉は
友人の妾・崔尠コ
その姉・崔蘭娘
李自成の娘・李翠微 ←★
先輩の娘・高雲麗
兵部尚書の妾・戴嬌鳳
の五人を妻として飯店を開き、ようやく生活は落ち着いたかに見えたのですが―――
五人の美女とかわるがわる淫楽を尽くすため過度に酒色に溺れることとなり、一には富を失って店を手放すこととなり、二には体を壊してその美しい顔貌も衰えを見せるに至り、五人の妻はそれぞれに遊び人を引き入れる始末となって、あわれにも真楚玉は憤りと屈辱の言葉を吐きながら死んでしまったのであった。
その後、杭州から来た商人が、五人の美女に金を出して売春宿を経営させるが、それもしばらくの間。美女らそれぞれに去って
皆不知所終。
みな終わるところを知らず。
どこでどうなってしまったのか、とんとわかりませぬ。
と、要約者(高雪芳さん)がまとめている。
こんなのいいオトナが読むもんではありません。が、オトナでなければ誰が読むのだ、コドモが読んだらもっとおかしい、という内容です。ゲンダイの賢いオトナやコドモは興味持ってはいけませんよー。(わしはいいのじゃよ、もう年寄じゃから。うはうは)
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