↓そんなもの、誰が落として行ったのじゃろうか。
昼の仕事はさらに盛り上がっております。しかもぎっくりなのです。よって今日も「明儒学案」はお休みして短いのを紹介して寝ます。
処士元固言、貞元初、嘗与道侶遊華山。
処士・元固言う、貞元の初め、嘗て道侶と華山に遊べり。
処士(朝廷に仕えていない士)の元固どのがおっしゃっておられたことに、
「貞元年間(785〜805)の初め、道教を愛する仲間たちとともに華山に登ったことがあったのでござる」
華山は、大地の鎮めとして古代より信仰を集める「五岳」のうちの「西岳」で、黄河に近く、陝西と河南の接するあたりにある聖なる山である。
古代のチュウゴクでは、このあたりに「西」の柱が立っていたのか・・・と思うとあんまり「広大」なイメージが無くなるのでがっかりですが、そこは我慢してください。
その華山で一行は、
谷中見一人股。袜履甚新、断如膝頭、初無瘡迹。
谷中に一人の股を見る。袜履甚だ新たにして、断ずること膝頭の如く、初めより瘡迹無し。
「谷の中にひとの足が落ちていたのを見つけた。靴下・靴はたいへん新品で、膝のあたりで切り離されたようであったが、切り口は傷にはなっておらず、初めからそれだけで存在していたかのようであったのじゃ」
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以上。唐・段成式「酉陽雑俎」巻十より。このお話はこれでおしまい。
山の中には往往にしてこういうのが落ちているものなのでしょう。
この間、大分県のスキー場でニンゲンの足が見つかった、という報道があったのもこの類ならんと思えば謎も解ける。