夏になったので浴衣姿のぶたとのである。相変らず無為無能である。
一日暑かった。そして眠い。
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出奔第一日。人間界を離れたのでヒマだなあ。だんだん眠くなってきます。眠る前に一言・・・
作之不止、可以勝天。止之不作、猶如画地。
これを作して止めざれば、以て天に勝つべし。これを止めて作さざれば、なお地に画けるがごとし。
そのことをなんとかしようと勤めて止めなければ、天のサダメにも打ち勝つことができるだろう。そのことを止めておこうと何もしなければ、結局のところ地面に描いた絵と同じで、何のことにもならない。
努力しましょう。
これだけだと寂しいので、もう一言・・・
酒足以狂愿士、色足以殺壮士、利足以点素士、名足以絆高士。
酒は以て愿士を狂わすに足り、色は以て壮士を殺すに足り、利は以て素士に点じるに足り、名は以て高士を絆(つな)ぐに足る。
「士」は要するに支配階級になりうる地位にある男性(古代であれば自由民、明清期であれば読書人兼地主層、徳川ジャパンならサムライ)をいうコトバで、時代によって意味するところが違ってきます。しようがないから、ここでは「人物」と訳しておきます。
飲酒は素直で慎み深い人物を狂わせる力を持っている。
恋愛は意気盛んな人物を損ない殺す力を持っている。
利得は素寒貧の人物にしみをつけて汚す力を持っている。
名声は高潔な人物を縛り付けて自由に振る舞えないようにする力を持っている。
わーい、いろんな恐ろしいモノがこの世にはあるのだ。やっぱり出奔するしかなかったんだなあ。
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いずれも明・楊夢袞「草玄亭漫語」より。楊夢袞というひとは明末の人だ、という以外よくわかりません。わたくしは合山究先生の「明代清言集」(講談社昭和61)で知った。
ほんとに眠いんで風呂入って寝ます。お風呂の中でねむてしまかも出奔してるからまいいや