水中にあるカエル忍者の勇姿。
今日はアメリカ独立記念日だそうです。台風近づいている。
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さて、問題。↓の詩ができたのと、アメリカ合衆国の成立はどちらが先か?
飄乎且飄乎、 飄乎(ひょうこ)、かつ飄乎、
飄乎往何辺。 飄乎としていずれの辺(あたり)にか往く。
ひょうこ、また、ひょうこ。
ひょうことしていったいどこに行こうというのやら。
川に近づいて行って、どぼん、と飛び込みました。
爾本非野父、 なんじ、もとより野父(やぼ)にあらざらん、
似粋能没川。 粋(すい)に似てよく川に没す(るがゆえに)。
おまえは、やっぱり野暮なやつではなかったんだなあ、
粋人(すいじん)のように、川に飛び込んでしまうんだから。
「おまえ」って誰だ?
実は、この詩の題名は「詠蟾」(ひきを詠う)。
一連・二連の「飄乎」は、「ぴょこぴょこ」という擬態語だったんです。
三連・四連は、江戸期のことわざ「粋が川へはまる」(遊びごとをよく弁えたはずの粋人が、案外、川にはまるように遊びにはまってしまうものである)というのを逆にして、カエルは川に飛び込むから粋人であって野暮天ではない、とひねくっているんです。高い市民文化に基づく詩だなあ。
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銅脈先生・畠中観斎「太平楽府」巻三所収。この本は明和己丑刊だそうです。明和己丑年は六年で、西暦だと1769年。アメリカ独立宣言が1774年7月4日なので、まだアメリカ合衆国の無いころの書物である。それなのに、これからわずか80年後には、開国を迫りに来たわけなんですなあ。