明日は金曜日、めでたいのう。
さきほどちょっと知合いと飲み食いしただけなのに、魔法のように体重増。
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魔法といいますと、こんな事件があったそうでございます。
明の嘉靖三十六年(1557)八月、山東の陽谷県で地面から血が噴き出し、一尺余りの高さに至る、という事件があった。
その直後、江南の湖州で
妖人馬祖師用術惑衆。有物如胡蝶入人家、変幻飛舞、能傷人、夜魘人至死。
妖人・馬祖師、術を用いて衆を惑わす。物の胡蝶の如き有りて人家に入り、変幻飛舞してよく人を傷め、夜ひとを魘して死に至らしむ。
妖術使いの馬祖師という者が、魔法を使って多くのひとびとをたぶらかす事件があった。
馬祖師は蝶々のようなものを操って、これを人の家に入らせる。これはそこで変幻自在に飛び回り、狙った人を傷つけ、その人は夜中にうなあれて死んでしまう、というのである。
馬の手下という毛筌というのが現れて、愚民どもを煽り、ついに九月、嘉興で反乱を起こした。
あらかじめ約束した日に、
馬妖樹青白二旗、放火縦掠。
馬、青白二旗を妖樹して、放火し縦掠す。
馬は妖術を以て青と白の旗二本を立ちあがらせ、これを合図に叛乱者たちは嘉興の町に放火し、好き放題に掠奪した。
報せを得て、湖州参政の劉壽がただちに兵を整えて攻撃したため、この賊は潰走してしまい、事は大きくならずに済んだ。
官兵尽殲其衆、独馬祖師逸去。
官兵ことごとくその衆を殲すも、ひとり馬祖師逸去せり。
官軍の兵士は叛乱側と目されたひとびとをことごとく皆殺しにしたのだが、ただ馬祖師らしき者だけは捕まらず、どこかに逃してしまったのであった。
この事件は、山東で地面から血が噴き出したことと、関係があったのかも知れない。
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関係無かったのかも知れません。
明・江盈科「聞記」より。ところで、三日も働いたのに、まだ今週はあと二日も平日があるとは、魔法にかかったようなキモチのひとも多いであろう。