←白と黒との区別ぐらいはついているのか?
非現実の世界はスキなのですが、↓こんな非現実的なことを言われてもなあ・・・。
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十事可以弁二三者、愚人也。
十事、以て二三を弁ずるべきものは、愚人なり。
十のことがあったとして、そのうち二つか三つしか正しく考えられない者は、オロカ者である。
弁四五者庸人也、得六七者可与議者也、七八者可以任者也、八九者稍卓異也。
四五を弁ずる者は庸人なり、六七を得る者はともに議すべき者なり、七八なる者は以て任ずべき者なり、八九なる者はやや卓異なるなり。
四つか五つを正しく考えられる者がふつうの人で、六つか七つまでできる者はいろんな相談のできる人だ。七つ八つという者は重要なことを任せておけるひとである、八つ九つという者はもう普通ではない人である。
そして、
十全者上智也。
十全なる者は上智なり。
十事案すべてを正しく考えられるひとは、聖人といってもいい。
ところで、間違ってしまう場合にも、また差がある。
惑於近似猶庶幾耳。
近似に惑うはなお庶幾(ちか)きのみ。
正解に近いところまで行った場合は、「もう少しだったねー」といえるだろう。
しかし
至以白為黒、以東為西、則難与言也。
白を以て黒と為し、東を以て西と為すに至りては、すなわちともに言い難し。
白を黒と間違ったり、東を西だと言いだすようでは、(たとえ間違いが少ないひとであっても)物事を相談しあうわけにはいかないだろう。
以上。
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宋・李季可「松窗百説」より。
言わんとするところはわからないでも無いのですが、もう少し具体的に教えてくれないと現実社会の役には立たないであろう。現実社会的にはあと一日、何とか生き抜かねば週末にならない、という非情な現実が立ちはだかっている。土日になったらこういう含蓄のありそうな言葉を味わうこともできるカモですが。